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商品説明
昭和39年10月に開業した東海道新幹線は、それまでせいぜい時速100キロだった日本の鉄道を、一気に2倍以上の高速運転にするものだった。それから半世紀の歳月を経て、「踏切のない標準軌の線路を走る交流電化による電車列車」という基本こそ変わらないものの、ついに最高時速300キロを超える高速運転が実現した。それは単に従来からの新幹線の延長線上にあるものではなく、諸問題を克服するために開発された新技術を導入し続けたことで、初期の量産車である0系からは大きな変貌を遂げた新車両が次々と生まれたからだった。新幹線電車を知り尽くした著者が、その技術の真髄を克明に解き明かす。
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収録内容
1 | 走行抵抗の減少―速度が向上しても走行抵抗が減少する不思議 |
2 | 車体の軽量化と気密―軽くて丈夫な新型材と溶接法 |
3 | 空調と換気―分散から集中へ、屋上から床下へ |
4 | 高速集電システム―高速で走行しながら電力を得る新幹線ならではの悩み |
5 | 主電動機の変遷―小型軽量化と高効率を究めた心臓部 |
6 | 電力変換装置と回生ブレーキ―時速300キロ実現の立役者 |
7 | 蛇行動防止性能―時速300キロと曲線通過性能の両立 |
8 | 粘着性能とブレーキ距離―速度が向上してもブレーキ距離が延びない不思議 |
9 | 輪軸セットの安全性―「折れない」車軸のための技術の進化 |
10 | ばね下質量の削減―革新的な車両の軽量化で誕生した300系 |
11 | 窓ガラス―風雪に耐えて実現した“決して割れない窓”とは? |
12 | 普通車の3人掛腰掛―二階建車両で可能になった回転式腰掛 |
13 | 雪中走行―車両と軌道のタッグで世界に誇るノウハウを確立 |
14 | 環境保全―予期してなかった問題の中で最大の課題 |