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商品説明
「世の中は夢か現か現とも夢とも知らずありてなければ」(古今和歌集)。いま、たしかに「ある」が、それは同時に、いつか「なくなる」、あるいはもともとは「なかった」―。「夢と現のあわい」に生きる私たちは、その「はかなさ」をどう受けとめ、どう生きてきたのか。万葉の時代から現代にいたるまで、日本思想史を形成してきた無数の言葉を渉猟し、そこに通底する「無常感」をたどりながら、日本人のゆたかな精神性を探り当てていく。
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収録内容
1 | 1 現代日本人の無常感(「はかない」気分 |
2 | 「はか‐ない」とは ほか) |
3 | 2 「夢の外へ」(「浅き夢みじ」―「いろは歌」の決意 |
4 | 地獄・極楽とは何か―『往生要集』のしかけ ほか) |
5 | 3 「夢の内へ」(「妄執」のゆくえ―謡曲の鎮魂 |
6 | 「一期は夢よ ただ狂へ」―『閑吟集』の狂と情 ほか) |
7 | 4 「夢と現のあわいへ」(「ありがたき不思議」―『徒然草』の存在理解 |
8 | 「夢と現のあわい」の美意識・倫理―「幽玄」「やさし」 ほか) |
9 | 5 ふたたび、現代日本の無常感(「人間の安心」論―近代日本の「無」の思想 |
10 | 「夢よりも深い覚醒」―見田宗介の「鮮烈ないとおしさへの感覚」 ほか) |