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商品説明
自伝小説を何度も書き換え更新していくことで自身を「仮構」として提示し続けた小説家・室生犀星。他者と自己、虚構と事実の間を往還するその特異な方法論をよみとく。
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収録内容
1 | 室生犀星と自伝小説 |
2 | “自己”=“虚構”を語ることに目覚める頃―『性に眼覚める頃』刊行まで |
3 | “官能描写”の物語―「海の散文詩」から「海の僧院」へ |
4 | “変態”を表象する“感覚”―「香爐を盗む」の方法 |
5 | 記憶を抑圧する“音”“声”―「心臓 退屈な孤独と幽霊に就いて」の感覚 |
6 | 女性心理との“交際”―「幾代の場合」論 |
7 | “くろがねの扉”を開く室生犀星―“市井鬼”生成の場としての『鐵集』時代 |
8 | 完結した物語の弊害―“市井鬼もの”前史としての「あにいもうと」 |
9 | “都会の底”に生きる少女たちの行方―「女の図」と連作小説 |
10 | 救済なき復讐、漂流する“市井鬼”―「龍宮の掏児」の試み |
11 | 自伝小説の不可能性―純粋小説としての『弄獅子』 |
12 | 自伝小説の中の浅草―犀星文学の頂点 |
13 | 犀星文学における自己言及性―「蜜のあはれ」の方法 |