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商品説明
本書は、昨中の“時間”の痕跡をたどりながら、具体的に時間形成と意味形成を分析してクロノロジー(年代記)を作成する。『失われた時を求めて』は1880年生まれの一文学青年の精神史を描きだしたものであるが、なぜ、プルーストは主人公を自らより10歳ほど若く設定したのであろうか?本書は、その意味を明らかにしつつ、愛や芸術といったテーマ別に作品分析を行うのではなく、全7篇の文脈をていねいにたどることで複雑に絡み合った“時間”の構造を解きほぐしていく。と同時に、それが著者マルセル・プルーストの“時間”との闘いの軌跡でもあることを示す。なぜこの作品が文学のみならず、歴史的、社会的にも、19世紀と20世紀、近代と現代とを架橋するものとなっているのか、プルーストの“時間”との闘いのありようを解明する。
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収録内容
1 | 序章 テクスト区分とクロノロジー |
2 | 第1章 不眠の夜 |
3 | 第2章 コンブレーの時代 |
4 | 第3章 スワンの恋 |
5 | 第4章 土地の名の夢想、パリのスワン家のほう |
6 | 第5章 バルベック1 |