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商品説明
労働者募集に応じ、また戦時徴用によって朝鮮から樺太(サハリン)に渡った人びとは、日本の敗戦により同地への残留を余儀なくされた。その一人、忠清北道(韓国)出身の朴魯学は、戦後間もなく日本人女性・堀江和子と結婚したことから昭和33年に引揚げがかない、初めて日本の土を踏む。残留同胞の帰還実現を誓った朴は、以来、冷戦下の厳しい国際環境の中で、和子夫人と共に帰還運動に粉骨砕身する。しかし努力が実って日本での家族再会が可能となった頃から、運動は(旧)社会党議員らの主導するものへと変質し俄かに政治色を帯びる―。善意の民間人として運動を支えた著者が、朴・和子夫妻の功績が忘却の彼方へと追いやられていくことへの慙愧の念から綴った本書は、純粋な人道活動が政治利用されていくさまをつぶさに描く。「従軍慰安婦」へとつながる「戦後補償」問題を検証するための唯一無二の貴重な記録。
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収録内容
1 | 序章 サハリン韓国人帰還運動とは何か |
2 | 第1章 樺太 |
3 | 第2章 戦時動員 |
4 | 第3章 サハリン |
5 | 第4章 引揚げ |
6 | 第5章 帰還運動 |
7 | 第6章 裁判 |
8 | 第7章 家族再会 |
9 | 第8章 苦い結末 |
10 | 終章 サハリンはいま |