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商品説明
短歌にはドラマがある。「記者ときどき歌詠み」の著者ならではのペンが織りなす、二十七の短歌ものがたり。
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収録内容
1 | 青年死して七月かがやけり軍靴の中の汝が運動靴 |
2 | 膝下を津波にしやぶられ寒かりき夢と見てゐし家流るるを―佐藤成晃 |
3 | すさまじくひと木の桜ふぶくゆゑ身はひえびえとなりて立ちをり―岡野弘彦 |
4 | 夕照はしづかに展くこの谷のPARCO三基を墓碑となすまで―仙波龍英 |
5 | 日本を振りかへらざれわが前にひたむきにゐる若きらに向き―石川一成 |
6 | あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ―小野茂樹 |
7 | 警棒に撲たざることをぎりぎりの良心としてわれは追ひゆく―筑波杏明 |
8 | 風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける―笹井宏之 |
9 | 夕焼けに照らされてゐる妻の顔まぎれなくいま生きてかがやく―桑原正紀 |
10 | 音もなく我より去りしものなれど書きて偲びぬ明日と言ふ字を―木村久夫〔ほか〕 |