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商品説明
「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作―」定家の百人一首が「凡作」揃いだとの批判は多い。だがあえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ強者はいない。本書は前衛歌人・豪腕アンソロジストが放つ、定家への挑戦状である。どちらが秀歌か。読者ひとりひとりの判断を待つ。
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収録内容
1 | 朝倉や木の丸殿にわがをればなのりをしつつ行くはたが子ぞ―天智天皇 |
2 | 北山にたなびく雲の青雲の星離りゆき月を離りて―持統天皇 |
3 | もののふの八十氏河の網代木にいさよふ波の行く方知らずも―柿本人麿 |
4 | 春の野に菫採みにと來しわれぞ野をなつかしみ一夜ねにける―山邊赤人 |
5 | あひ見ねば戀ひこそまされ水無瀬川何に深めて思ひそめけむ―猿丸大夫 |
6 | うらうらに照れる春日に雲雀あがりこころ悲しも獨し念へば―中納言家持 |
7 | あまのはらふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも―安倍仲麿 |
8 | 樹の間より見ゆるは谷の螢かもいさりにあまの海へゆくかも―喜撰法師 |
9 | はかなしやわが身のはてよ淺緑野邊にたなびく霞と思へば―小野小町 |
10 | 世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ―蝉丸〔ほか〕 |