著者・出版社・関連アーティスト
商品説明
侍の気構えと行動を規定してきた「武士道」。軍国主義につながったとして、マイナスのイメージも持たれる一方、日本人の美徳を支える倫理的礎として肯定的なイメージを持っている人も、これまた多い。歴史的にみれば武士道は、武家社会が発展した中世に自然発生し、『甲陽軍鑑』等の書物で明文化されていくが、戦闘なき徳川時代になって精神的な「徳義」へと転回した。やがて武家以外の庶民階級にも浸透して、一般の生活経済倫理にまで影響を及ぼすようになっていく。「武士道」の豊かなる実態の歴史を、実証主義史学の方法を用いつつ鮮やかに描き出し、その本質に迫る。
関連記事
収録内容
1 | 現代にとって武士道とは何か |
2 | 武士の誕生―家と氏の成立 |
3 | 中世武士のエートス―もののふの道、弓矢取る身の習い |
4 | 明文化される武士道―『甲陽軍鑑』『諸家評定』『可笑記』 |
5 | 「治者」としての武士―徳川時代における武士道の深化・発展 |
6 | 生き延びるための思想―『葉隠』をめぐる誤解 |
7 | 持続的平和の時代の武士道―信義と仇討ち |
8 | 国民文化としての武士道―庶民への浸透 |
9 | 武士の社会と経済倫理―資本主義のさきがけ |
10 | 女性と武士道―武士道の主体としての女性 |
11 | 明治武士道とその後―近代化と国家主義 |
12 | 武士道七則―「忠」「義」「勇」「誠」「証」「礼」「普」 |
13 | いま生きる武士道 |