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商品説明
カニバリズム(人肉嗜食)は人類の根源的タブーのように思われながら、実のところその痕跡は古来より無数に残されてきた。著者の専門は中国でありながら、古今東西の記録・小説を博捜し、ときに舌鋒鋭く、ときに諧謔と皮肉をもってカニバリズムを縦横無尽に論じる。人間の薄っぺらな皮膚を両手で思い切りめくり上げ、曝し、目を背けたくなるようなものを直視することで、「近代合理主義精神」なるものの虚構を暴き、「良識」を高らかに嗤いとばす。人肉嗜食、纏足、宦官...。血の滴るテーマで人間の真実に迫る異色の作品。
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収録内容
1 | 1(カニバリズム論―その文学的系譜 |
2 | 迷宮としての人間―革命・悪・エロス |
3 | “食”の逆説―開高健氏「最後の晩餐」をめぐって |
4 | 中国人における血の観念) |
5 | 2(魔術における中国―仏陀とユートピア |
6 | 中国残酷物語―マゾヒズムの文化史 |
7 | 虚構と遊戯―中国人の性格について) |
8 | 3(王国維とその死について―一つの三島由紀夫論のために |
9 | 恐怖の本質―アンドレーエフ「血笑記」と魯迅「狂人日記」) |