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商品説明
聖職者・知識階級ではなく、中世ヨーロッパの一般大衆は、死と死後の世界をどのようにイメージしていたのだろうか。一三世紀から一六世紀にかけて、煉獄の誕生をみた中世は、死後世界をめぐってさまざまな表象と物語を生み、それはペストの惨劇をくぐってさらに多様化する。現世蔑視、魂と肉体の対話、往生術、死後世界探訪譚、死の舞踏という死の文学のモチーフにおいて煉獄が果たした役割とはなんだったのか。自国語による説教、教化文学、壁画、ステンドグラス、時祷書、装飾写本などを図像とともに広く渉猟し、人々の心性に浸透してその死生観の根となった要素を掘り起こす。
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収録内容
1 | 序章 死を生きるヨーロッパ中世 |
2 | 第1章 死と向きあう―現世蔑視と現世無常 |
3 | 第2章 死を飼いならす―煉獄の役割と死後の保険 |
4 | 第3章 死と対面する―いまわの際のドラマ |
5 | 第4章 死後を生きる―死後世界の探訪と表象 |
6 | 終章 死の変容―薄く引き延ばされた死 |