商品説明
藤田嗣治は一九二〇年代のパリを拠点に、油彩画の本場ヨーロッパで勝負し、相応の成果を果たした最初の日本人美術家として知られます。画家の没後半世紀。彼が残した作品だけでなく、遺族の手元以外から、手紙の存在情報が明らかとなり、多くの書きもの=日記や手紙の存在が確認され、整理公開、復刻が進んでいます。彼から手紙をあてられた人が、もしくはその遺族や関係者が守っていたのです。本書は生前の画家が書いた手紙をテーマとします。インクでぎっしり書かれた文字群には相手への思いのこもったイラストレーションも添えられることがしばしばで、こうした紙の上の「手しごと」を知ることが藤田の多面性の理解につながるのです。そして、いくつかの手紙は、彼の人生の「転機」の証言者となるはずです。収録図版百余点。描く人の手紙の森へ、ようこそ。
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収録内容
1 | 第1信 明治末の東京からはじまる |
2 | 第2信 一九一〇年代の欧州から、日本の妻へ |
3 | 第3信 一九二〇年代のパリで |
4 | 第4信 一九三〇年代 中南米彷徨から母国へ |
5 | 第5信 太平洋戦争下の日本で―後続世代へ |
6 | 第6信 敗戦の影―パリに戻るまでの四年半 |
7 | 第7信 フランク・シャーマンへの手紙―GHQ民政官との交流 |
8 | 終信 最晩年の手記、自らにあてた手紙としての |