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商品説明
「女性のつくった恋の歌としては最も優れたものだと、私は思っています」詩人・大岡信氏にそういわしめた鮮烈な二十九首。
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収録内容
1 | 託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり(巻三・三九五) |
2 | 陸奥の真野の草原遠けども面影にして見ゆといふものを(巻三・三九六) |
3 | 奥山の岩本菅を根深めて結びし心忘れかねつも(巻三・三九七) |
4 | 水鳥の鴨の羽色の春山のおほつかなくも思ほゆるかも(巻八・一四五一) |
5 | 朝毎に我が見る屋戸のなでしこが花にも君はありこせぬかも(巻八・一六一六) |
6 | 我が形見見つつ偲はせあらたまの年の緒長く我も思はむ(巻四・五八七) |
7 | 白鳥の飛羽山松の待ちつつそ我が恋ひ渡るこの月ごろを(巻四・五八八) |
8 | 衣手を打廻の里にある我を知らにそ人は待てど来ずける(巻四・五八九) |
9 | あらたまの年の経ぬれば今しはとゆめよ我が背子我が名告らすな(巻四・五九〇) |
10 | 我が思ひを人に知るれや玉櫛笥開き明けつと夢にし見ゆる(巻四・五九一)〔ほか〕 |