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商品説明
東南アジアに近代国家が導入される以前から、現在のマレーシア、フィリピン、インドネシアにまたがる海域を自前の生活圏として暮らしてきた海サマ。典型的な国境をまたぐ社会であった海サマ社会は、マレーシア国家に組み込まれたあと、その制度や政策とのかかわりでいかに変容してきたのか。国境は海サマにとってどのような意味を持つのか。サバ州センポルナの海上集落で幾重にもフィールドワークをかさね、開発と宗教の領域における変化を手がかりに、かれらの国家経験を探る。
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収録内容
1 | 序 海サマと国家・国境という課題 |
2 | フィールドワーク―国境社会をいかに捉えるか |
3 | 1 民族の生成と再編(海サマとはどのような人びとなのか―国境をまたぐ民族の概要と先行研究 |
4 | スル海域とサバ州の歴史過程―民族の生成を中心に ほか) |
5 | 2 開発過程と社会の再編(地域社会の分断と政治的権威の再編成―国境の町センポルナ |
6 | 海上集落の構成と歴史―調査地カッロン村の概況 ほか) |
7 | 3 イスラーム化と宗教実践の変容(サバ州におけるイスラームの制度化と権威―法・行政・教育 |
8 | 「正しい」宗教をめぐるポリティクス―海サマのイスラーム化と国家 ほか) |
9 | 結び 国境社会を生きること |