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商品説明
本書の根底には、「認知症患者は、何故増えるのか?」という素朴な疑問がある。一般に「高齢者が増えるのだから、認知症患者が増えるのも当然」と考えられがちであるが、何らかのきっかけで患者が「掘り起こされる」場合や、「意図せざる結果」として増加する場合もある。本書の「意図せざる結果」の概念は、アメリカの社会学者であるロバート・K・マートンが第二次世界大戦前に提唱したものであり、近年ではハーバード大学の精神科医で人類学者でもある、アーサー・クラインマンが、グローバルの医療問題が帰着する論点の一つとして、世界的な医学雑誌“The Lancet”でも取り上げられている。筆者は、認知症患者が増加するプロセスに、「意図せざる結果」を生む流れを想定して調査に及んだ。医療関係者、経営学研究者だけでなく、広く医療に興味を持つ人々に手に取っていただければ幸いである。(「筆者からのメッセージ」より)
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収録内容
1 | 第1章 「意図せざる結果」と認知症の診断(本書の視点 |
2 | 認知症が「社会問題」となる背景 ほか) |
3 | 第2章 医療組織と「意図せざる結果」にかかわる研究(コンティンジェンシー理論 |
4 | 医療組織と医師のProfession ほか) |
5 | 第3章 「意図」と「意図せざる結果」の捉え方(高齢者医療政策の「ニュアンス」と認知症診療の「実情」についての予備的知見 |
6 | 認知症患者を減らす「意図」の捉え方 ほか) |
7 | 第4章 地域・診療科の違いによる認知症診療のプロセス(大阪大学医学部の創立理念 |
8 | 愛媛大学医学部の創立理念 ほか) |
9 | 第5章 「意図せざる結果」を通して見える課題(「意図せざる結果」の論理的な生起過程とは |
10 | 医療実務への提言 ほか) |