商品説明
「デタッチメント」から「コミットメント」へ―村上春樹の創作姿勢の移行は、はたして何を意味するのだろうか。その物語世界はどのように深化を遂げたのか。デビュー以来の80編におよぶ短編を丹念にたどりながら、長編とのつながりをも探り出すことで、新たな像が浮かび上がる。下巻では、『ノルウェイの森』の大ベストセラー化を契機にもたらされた深刻な孤立と危機にはじまる「中期」の作品群を読み解き、そして、日本の戦後にとって節目となった1995年の二つの出来事を誰よりもしっかり受け止めた小説家の「後期」の転回を掘り下げる。
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収録内容
1 | 第3部 中期 孤立と危機(女性という表象―「レーダーホーゼン」 |
2 | これ以上はあげられないくらいの大きな悲鳴をあげること―「眠り」 |
3 | 村上春樹、底を打つ。―「沈黙」と「七番目の男」) |
4 | 第4部 後期 回復と広がり(マニフェストと小さな他者―「めくらやなぎと、眠る女」 |
5 | わかりにくさと、戦後の思想―「かえるくん、東京を救う」 |
6 | 自分への旅―「品川猿」) |
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