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商品説明
ある晴れた休日、「今日はお出かけ日和だ」と言って意気揚々とAさんが家族をつれてピクニックに出掛ける。ところが、急に天気が崩れて土砂降りになり、「ほんとに今日はお出かけ日和ね」と家族に言われてしまう。Aさんに対する非難のこもったこの発言がいわゆるアイロニー発話と呼ばれるものの典型とされる。この場合、「アイロニー」に「皮肉」という訳語を当ててもかまわないが、アイロニーは「皮肉」よりも幅広いカテゴリーの修辞的表現である。本書では、この「言いたいことの逆を言う」アイロニーがどうして相手に伝わるのかという問題を考える。現実を相対化するための、知的な「武器としてのアイロニー」の可能性も示す。
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収録内容
1 | 第1章 言葉のアイロニー(アイロニーとは何か? |
2 | 語用論的アイロニー論 |
3 | アイロニーのこだま理論 |
4 | ほのめかし理論 |
5 | 偽装理論) |
6 | 第2章 アイロニーのメンタル・スペース構造(メンタル・スペース理論 |
7 | アイロニーの多様性を説明する |
8 | アイロニーに隣接する修辞法 |
9 | シグニファイング・モンキー) |
10 | 第3章 文学作品におけるアイロニー(アイロニーはちゃぶ台をかえす |
11 | 哲学におけるアイロニー |
12 | 結果が期待を裏切るとき |
13 | アイロニーの意図、転倒する価値 |
14 | もつれるアイロニーと小説 |
15 | パロディー、パスティーシュ |
16 | 虚構スペースで遊ぶということ) |