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商品説明
貨幣の価値は一定であると我々は常識的に考えている。しかし、複数の通貨が併存しているとき、交換価値が多元的であるという事例は、歴史上、多くの地域・時代の存在した。たとえば、本国をはるかに離れて流通した、オーストリアのマリア・テレジア銀貨や中華帝国の銅銭の存在。日々手にしている貨幣であるが、「貨幣とは何か」という問いは私たちを惹きつけてやまない。世界史の中で、改めて謎に満ちた貨幣現象を根本から問い直す。
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収録内容
1 | 序章 貨幣の非対称性 |
2 | 第1章 越境する回路―紅海のマリア・テレジア銀貨 |
3 | 第2章 貨幣システムの世界史 |
4 | 第3章 競存する貨幣たち―一八世紀末ベンガル、そして中国 |
5 | 第4章 中国貨幣の世界―画一性と多様性の均衡構造 |
6 | 第5章 海を越えた銅銭―環シナ海銭貨共同体とその解体 |
7 | 第6章 社会制度、市場、そして貨幣―地域流動性の比較史 |
8 | 第7章 本位制の勝利―埋没する地域流動性 |
9 | 終章 市場の非対称性 |
10 | 補論 東アジア貨幣史の中の中世後期日本 |