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商品説明
筆者は医療保護入院制度の今後を考える前提として、相模原事件が起きる前の議論の到達点にまで立ち帰るべきであると主張する。私たちが今なすべきは、家族等同意の是非を含む精神保健福祉法二〇一三年法改正時の白熱した議論を“解凍”して再び熱くすることである。日本人は“忘却の民”であると揶揄されることもあるが、これはほんの数年前の話なのだ。二〇一三年法改正という原点。そこには医療保護入院をめぐる今日的課題がほぼ出尽くしている。
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収録内容
1 | 総説 精神保健福祉法体制のあゆみと展望―二〇一三年改正まで |
2 | 精神保健福祉法二〇一三年改正の教訓 |
3 | 地域処遇の課題は「医療観察法」最大の隘路として残る |
4 | 地域精神保健福祉における医療観察法の宿命的異質性 |
5 | 医療観察法の解消と精神保健医療体制の再構築はワンセットである |
6 | 精神科救急・急性期治療における非自発的医療介入と権利擁護―法制度を中心に考察する |
7 | 「自由」と「安全」―精神医療における身体拘束のジレンマ |
8 | 精神障害のアセスメントに潜む隘路と陥穽 |
9 | 精神保健・医療・福祉にとって「共同体」は死語か? |
10 | 精神保健・医療・福祉の転換期における「精従懇」の使命―第六回精神保健フォーラム(二〇〇九年七月十一日・東京)基調報告 |
11 | 「障害者権利条約」の光に照らす時代 |
12 | 国家意思とメンタルヘルス |
13 | 精神医学理論の危機という問題設定 |
14 | クスリがこころに作用するという意味は本当にわかっているのか?―向精神薬と心身問題 |
15 | 現代人の万能薬―向精神薬のたくらみ |
16 | 精神病理学はゆく、たとえ「知の危機」の時代が来ようとも |