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商品説明
私小説が書けなくなる!?私的領域と文学の変容。プライヴァシーや個人情報への配慮がゆきわたった現代において、実在の人物に基づくリアルな小説は書きにくくなっている。だが、かつてはそうでなかった―。藤村や芥川、三島由紀夫「宴のあと」、柳美里「石に泳ぐ魚」などのモデル小説を取り上げ、「表現の自由」と私的領域との相克を追い、「プライヴァシー」概念の成立と小説のゆくえを考える。
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収録内容
1 | 序章 モデル小説とプライヴァシー |
2 | 第1章 モデル問題の登場―内田魯庵「破垣」の発禁と明治の社会小説 |
3 | 第2章 写実小説のジレンマ―トラブルメーカー島崎藤村と自然主義描写 |
4 | 第3章 大正、文壇交友録の季節―漱石山脈の争乱1 |
5 | 第4章 破船事件と実話・ゴシップの時代―漱石山脈の争乱2 |
6 | 第5章 のぞき見する大衆―『講談倶楽部』の昭和戦前期スポーツ選手モデル小説 |
7 | 第6章 “プライヴァシー”の誕生―三島由紀夫「宴のあと」と戦後ゴシップ週刊誌 |
8 | 第7章 “芸術性”をいかに裁くか―昭和末、高橋治「名もなき道を」の勝訴 |
9 | 第8章 モデル小説の黄昏―平成、柳美里「石に泳ぐ魚」のデッドエンド |
10 | 終章 ネット社会のプライヴァシーと表現 |