本/雑誌
マクロス 河森正治デザイナーズノート
河森正治/監修 ビックウエスト/監修
7260円
ポイント | 1% (72p) |
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発売日 | 2020年12月上旬発売 |
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商品説明
河森正治による40年の「マクロス」デザインスケッチの数々がここに集結!
今回の書籍は、河森正治監督(以後河森氏)による「マクロス」シリーズ関連のラフスケッチを可能な限り収集し、できる限りの数、しかも大きく掲載することを目指した。準備稿のみをメインとし、単一のシリーズにおいてこれほどのページ数で刊行する書籍は恐らく過去に例がないだろう。
こうしたラフスケッチは、既存の設定収録書籍や雑誌などでは省略されるか、小さく扱われることが多かった。なぜならこれらの画稿はあくまでも準備稿に過ぎず、またデザイナーによっては未完成のものをファンに対して見せることをためらうこともあるからだ。だが、河森氏のラフスケッチはそれそのものが作品(あるいはイラスト)としての価値があると思えたから、我々GA Graphic編集部は思い切ってこの本の企画を立ち上げた。
ラフスケッチには不思議な魅力がある。設定画に作画の資料として完成された美しさがあるのは当然だが、最終的な形を表すもののほかにも、可能性を秘めた無数の「線」が描き込まれた準備稿は、見る者を無意識に引きつけずにはおかないパワーがある。最終稿に至るまでには様々な過程、そして紆余曲折があり、準備稿からそれを窺い知ることができることも理由のひとつだろう。悩み抜いたデザイナーの苦心はもちろん、作品の世界観構築にかかわる他のスタッフたちによる意見や修正、商品やスポンサーなどからの要請が事細かに反映された結果の、決定稿なのだ。
河森氏が中心になって誕生した「マクロス」シリーズにおいては、上述のようなラフスケッチの存在も他の無数の作品たちのそれとは異なる意味合いがある。それは、河森氏自身が作品世界の創造者であり、デザインによって左右されかねない世界観や発展の方向性を、自ら裁量する立場にあるという点だ。
現在では役割が細分化されたアニメ制作の現場だが、河森氏は「マクロス」においてメカニックデザインのみならず、ストーリー(原作・共同)、絵コンテ、プロップデザイン、カラーリング設定、美術設定など、あらゆる仕事を精力的にこなした。業界のことをほとんどなにも知らない若者であったがゆえの、純粋かつ果敢な挑戦だった。
だが、すべての責任を負う立場の監督であることには、我々が想像する以上の重圧がつきまとう。可変戦闘機のデザインひとつとっても安易な妥協が許されない。本書に収録される厖大な点数のラフスケッチは、自らに課した厳しい制約の中でもがく思考の過程そのものといえる。
「シリーズや時代が変わる場合には極力、今までになかった変形機構を盛り込む」
「スタイリング(外形)だけで完成とするなら、ひとつのアイデアを原型としてバリエーションを無数に作れるが、それではデザイナーとはいえない」
「VFの場合、時代も経て航空機の理屈も形も変わってていいはず。だが空力で飛行する現用航空機モチーフという原則を忘れるとマクロスの世界観から逸脱してしまう。だからあえて枠からはみ出さない」
──河森正治インタビューより抜粋。
準備稿には、準備稿にとどまった理由が必ずある。突破できなかった“壁”の痕跡が見える。それを正面から突破したか、別の手段で回避したかした結果、決定稿が完成するのだ。ひとつの答えに繋がったラフスケッチではあるが、それが必ずしも唯一の解答とは限るまい。そう考えるとラフスケッチとは、さらなる無数の進化の形を内包した卵のようなものかもしれない。だからこそ、見ていてワクワクするのだろう。
本書はラフスケッチに加え、河森氏の「マクロス」の仕事に関して様々な事柄を聞き出し収録した。それは河森氏の幼少期の体験であったり、作業の苦労話であったり、特定のデザインに対するこだわりの吐露であったり、実に多岐にわたっている。一見無関係に見える話題でも、これらも現在の河森氏を形作っている要素だと考えれば、すべてが興味深い。
歴史に残る一個のデザインが完成するまでに、どれほどのアイデアと「線」の積み重ねがあったのか。「デザイン」とは、「才能」とは果たしてなんなのか? マクロスファンだけでなく、クリエイターを目指す者にとって普遍的で大切なものが見えてくるはずだ。
河森氏は昨年、プロデビュー40周年を迎えた。その経歴の中でも、特に河森氏を象徴する作品が「マクロス」である。40年を通した天才デザイナーの苦心、無心の努力、迷い、完全を目指しての飽くなき追求の過程を、その圧倒的な筆致から感じとってほしい。
今回の書籍は、河森正治監督(以後河森氏)による「マクロス」シリーズ関連のラフスケッチを可能な限り収集し、できる限りの数、しかも大きく掲載することを目指した。準備稿のみをメインとし、単一のシリーズにおいてこれほどのページ数で刊行する書籍は恐らく過去に例がないだろう。
こうしたラフスケッチは、既存の設定収録書籍や雑誌などでは省略されるか、小さく扱われることが多かった。なぜならこれらの画稿はあくまでも準備稿に過ぎず、またデザイナーによっては未完成のものをファンに対して見せることをためらうこともあるからだ。だが、河森氏のラフスケッチはそれそのものが作品(あるいはイラスト)としての価値があると思えたから、我々GA Graphic編集部は思い切ってこの本の企画を立ち上げた。
ラフスケッチには不思議な魅力がある。設定画に作画の資料として完成された美しさがあるのは当然だが、最終的な形を表すもののほかにも、可能性を秘めた無数の「線」が描き込まれた準備稿は、見る者を無意識に引きつけずにはおかないパワーがある。最終稿に至るまでには様々な過程、そして紆余曲折があり、準備稿からそれを窺い知ることができることも理由のひとつだろう。悩み抜いたデザイナーの苦心はもちろん、作品の世界観構築にかかわる他のスタッフたちによる意見や修正、商品やスポンサーなどからの要請が事細かに反映された結果の、決定稿なのだ。
河森氏が中心になって誕生した「マクロス」シリーズにおいては、上述のようなラフスケッチの存在も他の無数の作品たちのそれとは異なる意味合いがある。それは、河森氏自身が作品世界の創造者であり、デザインによって左右されかねない世界観や発展の方向性を、自ら裁量する立場にあるという点だ。
現在では役割が細分化されたアニメ制作の現場だが、河森氏は「マクロス」においてメカニックデザインのみならず、ストーリー(原作・共同)、絵コンテ、プロップデザイン、カラーリング設定、美術設定など、あらゆる仕事を精力的にこなした。業界のことをほとんどなにも知らない若者であったがゆえの、純粋かつ果敢な挑戦だった。
だが、すべての責任を負う立場の監督であることには、我々が想像する以上の重圧がつきまとう。可変戦闘機のデザインひとつとっても安易な妥協が許されない。本書に収録される厖大な点数のラフスケッチは、自らに課した厳しい制約の中でもがく思考の過程そのものといえる。
「シリーズや時代が変わる場合には極力、今までになかった変形機構を盛り込む」
「スタイリング(外形)だけで完成とするなら、ひとつのアイデアを原型としてバリエーションを無数に作れるが、それではデザイナーとはいえない」
「VFの場合、時代も経て航空機の理屈も形も変わってていいはず。だが空力で飛行する現用航空機モチーフという原則を忘れるとマクロスの世界観から逸脱してしまう。だからあえて枠からはみ出さない」
──河森正治インタビューより抜粋。
準備稿には、準備稿にとどまった理由が必ずある。突破できなかった“壁”の痕跡が見える。それを正面から突破したか、別の手段で回避したかした結果、決定稿が完成するのだ。ひとつの答えに繋がったラフスケッチではあるが、それが必ずしも唯一の解答とは限るまい。そう考えるとラフスケッチとは、さらなる無数の進化の形を内包した卵のようなものかもしれない。だからこそ、見ていてワクワクするのだろう。
本書はラフスケッチに加え、河森氏の「マクロス」の仕事に関して様々な事柄を聞き出し収録した。それは河森氏の幼少期の体験であったり、作業の苦労話であったり、特定のデザインに対するこだわりの吐露であったり、実に多岐にわたっている。一見無関係に見える話題でも、これらも現在の河森氏を形作っている要素だと考えれば、すべてが興味深い。
歴史に残る一個のデザインが完成するまでに、どれほどのアイデアと「線」の積み重ねがあったのか。「デザイン」とは、「才能」とは果たしてなんなのか? マクロスファンだけでなく、クリエイターを目指す者にとって普遍的で大切なものが見えてくるはずだ。
河森氏は昨年、プロデビュー40周年を迎えた。その経歴の中でも、特に河森氏を象徴する作品が「マクロス」である。40年を通した天才デザイナーの苦心、無心の努力、迷い、完全を目指しての飽くなき追求の過程を、その圧倒的な筆致から感じとってほしい。
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収録内容
1 | 超時空要塞マクロス |
2 | 超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか |
3 | 超時空要塞マクロスPCゲーム |
4 | 超時空要塞マクロススクランブルバルキリー |
5 | マクロスプラス |
6 | マクロス7 |
7 | マクロスデジタルミッションVF‐X&マクロスVF‐X2 |
8 | VFエクスペリメント |
9 | マクロスゼロ |
10 | マクロスF |
11 | 劇場版マクロスF |
12 | マクロス30銀河を繋ぐ歌声 |
13 | マクロスΔ |
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