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苦海・浄土・日本 石牟礼道子もだえ神の精神 (集英社新書)

田中優子/著

968円
ポイント 1% (9p)
発売日 2020年10月発売
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仕様

商品番号NEOBK-2546410
JAN/ISBN 9784087211405
メディア 本/雑誌
販売集英社
ページ数 266

著者・出版社・関連アーティスト

商品説明

水俣病犠牲者たちの苦悶、心象風景と医療カルテなどの記録を織りなして描いた、石牟礼道子の『苦海浄土 わが水俣病』は類例のない作品として、かつて日本社会に深い衝撃を与えた。だが、『苦海浄土』をはじめとする石牟礼文学の本質は告発だけではない。そこには江戸以前に連なる豊饒な世界と、近代から現代に至る文明の病をも射程に入れた世界が広がる。経済原理優先で犠牲を無視し、人間と郷土を踏みにじる公害、災害。それは国策に伴い繰り返される悲劇である。新型コロナウイルスの蔓延が社会状況を悪化させる中、石牟礼本人との対談、考察を通し世界的文学者の思想に迫る、評伝的文明批評。今は亡き文学者に著者は問い、考える。「石牟礼道子ならどう書いたであろう」と。

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    収録内容

    1 序章 石牟礼道子の重層する「二つの世界」(二つの世界
    2 石牟礼道子と「家」
    3 区切りない世界
    4 近代社会と数値
    5 江戸以前の循環型時間概念
    6 鄙と近代の渚で)
    7 第1章 母系の森の中へ(四十数年の想いを託して
    8 石牟礼道子との対談―「近代とは何か、ずーっと考えてきました」
    9 おなごのくせに
    10 おもかさまの哀しみに寄り添う
    11 自殺未遂
    12 高群逸枝との邂逅
    13 母系の森の中へ―古代、女性はリーダーであった
    14 近代的自我とは異なる生命律に身を任せて
    15 「古代の魂」ゆえに)
    16 第2章 闘う共同体(道子が夢想した「新しい共同体」
    17 島原・天草一揆と水俣闘争はつながっている
    18 私たちの春の城はどこにあるのか?
    19 道子は天草四郎の「やつし」
    20 「自分が虫どもに似て来たと思うがのう」
    21 「大切」を知る人々
    22 「もう一つのこの世」の始まり
    23 近代における共同体の喪失
    24 「夢に見るとは、天候のことばかり」)
    25 第3章 もだえ神(悶えてなりとも加勢せんば
    26 「漂浪く」道子の魂
    27 遊行の民として
    28 非人の方法
    29 ひゅんひゅんと移動する神々
    30 日本人に見る「共視」
    31 「境界」を行き来する魂)
    32 第4章 祈るべき天と思えど天の病む(死者と生者をつなぐ文学の役割
    33 水俣の死者たちが再び戻る『不知火』
    34 怨から祈りへ
    35 「死ぬことは死ぬばってん、私どもは死なんもんなあ」
    36 石牟礼道子と話した福島のこと
    37 生まれ変わる力があれば
    38 いのちの声の代弁者として)

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