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商品説明
二〇世紀後半からチベット医学は、専門資格化や薬の大量生産といった制度化が進んだが、そこでの医療実践は「伝統/近代」や「制度的医療/土着医療」のように断片化しているのではなく、それぞれの実践が部分的に重なり合い、医療・身体・環境が複雑に絡まり合っている。伝統治療者、薬師、僧、村人、薬草、制度、神霊、インフラ。様々な人とモノが協働するなか、ヒマーラヤ東部のタワンの人々が経験する体の節々の痛み、胃炎、毒盛りや神霊による祟りといった病いと、そこであらわれている不確かで複数的な身体を、気鋭の人類学者がフィールドワークをもとに丹念に描く。
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収録内容
1 | 第1部 チベット医学の開発(チベット医学の制度化とアムチ |
2 | チベット薬の標準化とタワンの人々) |
3 | 第2部 ナツァの病いとチベット医学の実践(タワンの暮らしとナツァの治療 |
4 | チベット医学の診療実践) |
5 | 第3部 神霊と妖術における病いと薬(神霊ルーによる病いと開発 |
6 | 憑依と宗教薬 |
7 | 毒盛りの妖術と民間薬) |