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商品説明
本書は、我が国の戦前企業における企業統治の在り方、特にその所有構造と会計行動の連関の一端を検討することを企図したものである。現代の我々が見ている制度的な枠組みが出来上がる前に展開されていた過去の会計現象では、様々な利害関係者の剥き出しの利害に基づく会計政策が展開され、規制のない空間で自由な会計思考が繰り出される姿が縦横に展開されている。換言すれば、自由な会計がどのように顕現されるのかを見せてくれる「思考実験室」が用意されているのである。我々はそこで基準や制度に制約されない「会計の本質」を垣間見ることが出来るであろう。本書では、我が国戦前期の会計現象を取り上げ、そこに繰り広げられた会計の状況を瞥見するが、そうした過去の会計状況の検討を通して現代の会計問題を考える上でのヒントを提示する。
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収録内容
1 | 序章 戦前期の企業統治と会計行動への分析視座 |
2 | 第1章 株主主権と会計行動―『株式会社亡国論』の会計学的読解 |
3 | 第2章 戦前期財閥の会計に於ける所有者統制の構造 |
4 | 第3章 戦前期我が国株式会社の減価償却行動 |
5 | 第4章 日産コンツェルンの会計行動―公開持株会社と傘下企業の事例分析 |
6 | 第5章 新興コンツェルンの会計行動―戦前期事業持株会社の事例分析 |
7 | 終章 歴史研究から見た過去と現代の交錯―会計に於ける株主主権の発動と遮断 |