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商品説明
京橋区にある瀧澤旅館の主人である無口で無愛想な男、和恭。彼が時折、宿の縁側でともに茶を飲むのは、旅館に滞在中の異国の青年サレハだ。主命により故郷の品を商うために帝都にやってきたサレハは、遥か遠い砂漠の国の風物や物語を、その美しい声で語って聞かせてくれる。そんな二人の周囲では、奇妙な出来事がたびたび起こり人々を惑わせていた。人を若返らせる水差し、夜店の向こうにあるバザール、香りが消えた金木犀―山伏姿の警視総監に依頼され、サレハと和恭は、この地にやってきた異国の妖霊たちによる不思議な事件の謎を探ることに...。