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商品説明
『地底国の怪人』『メトロポリス』『38度線上の怪物』『罪と罰』―戦後ほどなく発表された初期作品において手塚治虫が試みたものはなんだったのか。赤本、雑誌、貸本といったメディア環境の変化や、戦前・戦中期の児童文化のありようを丹念にたどり、キャラクターが生と死を演じる「物語」を描くストーリー・マンガの誕生に迫る。気鋭が挑むマンガ研究のハード・プロブレム。
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収録内容
1 | 序章 物語表現としての戦後マンガ |
2 | 第1章 『地底国の怪人』(一九四八年)の物語構造―プロットの覇権争いと内面の発生 |
3 | 第2章 戦前・戦中期の『少年倶樂部』における「孤児の物語」―手塚治虫以前の児童文化 |
4 | 第3章 二重の物語としての『メトロポリス』(一九四九年)―キャラクターの内面的変化を描く |
5 | 第4章 ヒロインが「敵」になるとき―一九五〇年代前半における「古典的ハリウッド映画的」様式の整備 |
6 | 第5章 『罪と罰』(一九五三年)に見るふたつの表現様式の相克―なぜ世界は破滅しなければならなかったか |
7 | 第6章 劇画再考―『罪と罰』からつげ義春「ある一夜」(一九五八年)へ |
8 | 終章 変化するもの、しないもの |