さいはてたい (文芸社文庫)

仁の母・睦美は、投資家としてテレビや雑誌で引っ張りだこ。母子二人でも、愛情たっぷりに何不自由ない生活を送らせてくれた。そんな自慢の母に、認知症によく似た症状が現れるようになった。物忘れ、失くし物、些細な違和感が増えていく。睦美はまだ四十八歳なのに―。変わりゆく母の姿、受け入れられない現実。手を差し伸べる周囲を拒絶し、真実から目を背ける日々。二人が選んだ結末は...。若年性アルツハイマー型認知症を若者の視点から描き、テレビドラマ化もされた話題作を文庫化。書き下ろしの続編も収録。