著者・出版社・関連アーティスト
商品説明
女給ちよや藝名の松栄など、実在する女性たちの像がちりばめられた美しき川端作品の数々は、古今東西の名作のご多分に漏れず、今少しずつかつてとは違う読み方をされつつある。時代の感性や情緒が変化する中、川端作品はどれが「名作」として生き残れるか。高校二年生で『眠れる美女』に衝撃を受けて以来のめり込み、「川端は最も好きな作家」と公言する著者が“女性”を切口に10の人気作を再読する。『雪国』『伊豆の踊子』『山の音』『片腕』...幾重にも魅力的に光る女たちの描写から、川端の複層的な人間味も垣間見える画期的論考。
関連記事
収録内容
| 1 | 第1章 『雪国』の謎を解く―前衛藝術か、藝者遊び小説か |
| 2 | 第2章 『伊豆の踊子』と二度現れる少年―惹かれてしまうものの深層 |
| 3 | 第3章 『父母への手紙』と川端の姉―親族の女性たちへの視線 |
| 4 | 第4章 『掌の小説』と川端ロリコン説―なぜ変態的と見られるのか |
| 5 | 第5章 サイデンステッカーの直さない誤訳 |
| 6 | 第6章 『山の音』と『千羽鶴』―娘への愛と退廃夫人 |
| 7 | 第7章 『眠れる美女』と『片腕』―幻想エロティシズムの限界 |
| 8 | 第8章 『古都』と新聞小説―清純路線は踏み外さず |
| 9 | 第9章 『天授の子』と政子もの―ちりばめられた慕情 |
| 10 | 第10章 徳田秋聲と横光利一、今東光 |
close