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商品説明
人と組織は合理的に失敗する。とくに日本の組織において表面化するこの「不条理」のメカニズムの解明に挑んできた著者。その長年の「不条理」研究を発展させ、集大成として書き下ろしたのが本書である。失敗する組織内では、指導者たちの合理的な判断によって、「やましき沈黙」が生じ、潜んでいた「黒い空気」が、いつのまにか組織全体を覆ってしまう。日本近代の戦史から現代の企業経営史まで、この絶えることのない「不条理」現象に着眼し、本書では最新経済学や経営学、さらには哲学を援用して、組織を汚染し、破滅に至らせる病への処方箋を、現代を生きるリーダーに向けて提示する。
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収録内容
1 | 序章 日本の戦史にみる失敗の真因―指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する(「戦艦大和の沖縄特攻」はなぜ実行されたか |
2 | 「戦艦大和の沖縄特攻」に対するこれまでの定見 ほか) |
3 | 第1章 「不条理」への経済学的挑戦―戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学(不条理な「黒い空気」と戦争指導者たち |
4 | 日本の戦史を「取引コスト理論」で読みなおす ほか) |
5 | 第2章 「不条理」への経営学的挑戦―ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用(ダイナミック・ケイパビリティ論による理論的解決とその可能性 |
6 | ドラッカー理論と「黒い空気」支配からの回避 ほか) |
7 | 第3章 「不条理」への哲学的挑戦―哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用(「理論理性」の再把握 |
8 | 道徳的に価値判断をする「実践理性」の再把握 ほか) |
9 | 結章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋―「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる(「重層的マネジメント」とは何か |
10 | 「不条理」の克服に向けて―戦史と現代の事例比較から ほか) |