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商品説明
「世界の法」の潜在力を問う。明治維新後、世界の「一等国」となるべく邁進した日本は、戦間期の1920年代、不戦条約をはじめとする国際法秩序、新たな集団安全保障体制の構築に当事国として深く関わった。だがしかし、紛争解決手段としての戦争を否定したにもかかわらず、なぜ日本は迷走と破局への道を辿ったのだろうか。外交官としてパリ講和会議の委員を務め、国際連盟の発足に携わり、その後アジア初の常設国際司法裁判所所長を務めた安達峰一郎の足跡を手がかりに、「戦争」と不戦条約の関係を国際法の観点からどう説明できるか、また当時の関係者がいかに説明しようとしてきたかを問いなおし、国家自存と平和構築の間で苦闘した、知られざる帝国日本の姿を照らす。
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収録内容
1 | 序章 満州事変の勃発と安達峰一郎の苦悩 |
2 | 第1章 「強大なる国」を目指して―近代国際法の受容 |
3 | 第2章 新しい国際法秩序構築に向けて―集団安全保障体制と国際裁判 |
4 | 第3章 戦争違法化運動と日本の対応 |
5 | 第4章 不戦条約はなぜ「戦争」を防げなかったのか |
6 | 第5章 世界万国の平和を期して―安達峰一郎の遺したもの |