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商品説明
1930年代のヨーロッパ、亡命生活のさなかにヴァルター・ベンヤミンは『1900年ごろのベルリンの幼年時代』を「一冊の、ささやかな、本」として世に出すことを試み続けた。1932年秋に執筆が開始された『幼年時代』は、足かけ7年におよぶ推敲作業を経て、1938年パリ脱出の直前に完成稿がジョルジュ・バタイユに預けられたのち、1981年にジョルジュ・アガンベンによってパリ国立図書館で発見された。ベンヤミンはなぜ本書の完成と出版に執着したのか。本書が完成稿へといたる道筋とそこに収斂された思想とは何か。「だからこそ『幼年時代』においては、子どもが主人公として選択されなくてはならなかった。すなわち、すでに喪失した能力としての“不器用さ”をかつての“わたし”=子どもから学びとるために」。手稿、メモ書き、タイプ稿など各ヴァージョンの生成過程をたどり、回想という方法、主人公としての子ども、書物という媒体の形式から、彼が完成と出版にこだわった30篇のテクストを読み解く。新全集版に基づく新たな『幼年時代』研究。
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収録内容
1 | 序論 |
2 | 第1部 「故郷」の削除―回想方法(「郷愁」から離れて |
3 | 方法としての「研究」 |
4 | せむしの小人に出会うために) |
5 | 第2部 ベンヤミンの“子どもの世界”―主人公(世界の組み替え |
6 | 「世界史」との対決 |
7 | 世界を歪める) |
8 | 第3部 「一冊の、ささやかな、本」―形式(「家」としての書物 |
9 | 書物と「傷」) |