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商品説明
第二次大戦以前、共産主義はアメリカでも多くの知識人を魅了した。しかし、戦後は「異物」として排除された。思想の自由が許されるはずの国で、一つの思想が排除されたことは、アメリカの知識人たちの間で激しい論争を生み、そこには自由の国のジレンマがつねに現れていた。本書では、「イデオロギーの終焉」を唱えた一九五〇年代の反共リベラル、社会変革を担った一九六〇年代のニューレフト、ニューレフトに反発した冷戦後の新保守主義者、これら三世代の論争を検討することで、アメリカで共産主義がどのように受容され、そして拒否されたのかを明らかにし、その背後にある理念の国の移ろいをも映し出していく。アメリカとは何か、左翼とは何か、そして知識人の役割とは―。理念の国の本質が、ここに浮かび上がる。
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収録内容
1 | 第1章 問題の所在―米国における共産党研究の諸相 |
2 | 第2章 米国共産党結成期小史 |
3 | 第3章 「反共リベラル」による米国共産党批判 |
4 | 第4章 ニューレフトと米国共産党の再評価 |
5 | 第5章 冷戦の終焉と「反共主義」の復権 |
6 | 第6章 結語―「現在史」としての米国共産党研究 |
7 | 補論 米国共産党研究の変容を促した社会思想史的背景 |