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商品説明
「弧状なす列島の歴史を、たったひとつの物差しで裁断できると無邪気に信じられた時代に、訣れを告げなければならない」―柳田国男の限界を乗り越え、「ひとつの日本」という呪縛をほどく手がかりをえるために、一九九二年より東北の地を拠点としてはじまった野辺歩き。驚きと喜びに満ちた旅から「いくつもの東北」が姿を現し、日本文化像の転換を迫る。「東北学」を掲げ画期をなした著作の、増補決定版。
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収録内容
1 | プロローグ 東北へ/東北から |
2 | 歴史を笑え、と幼い詩人に祖父は教えた |
3 | サイの河原に、早池峰を仰ぐ児らがいた |
4 | ナマハゲの鬼は男鹿の山から来た、という |
5 | 日時計の向こうに、縄文の夕陽が沈んだ |
6 | 大同二年に、窟の奥で悪路王は死んだ |
7 | その晩、鮭の大助は月光川をのぼる |
8 | 山に生かされた者らよ、と石の環が囁く |
9 | 鉱山で、山の神の代官たちが福音を説いた |
10 | ネブタ囃しに、遠く異族の血が燃えて騒ぐ |
11 | 不意に、埋もれた記憶が黄昏の底に甦る |
12 | 北からの呼び声に、いま岩谷の扉が開かれる |
13 | 箕を携えた姫が、大同の庭に降り立った |
14 | さらば芭蕉、と囁きかける川風を聴いた |
15 | 雪の野づらに、木地屋の夢が紡がれる |
16 | たちのぼる煙の下に、山の人生が転がっていた |
17 | なめとこ山の夜、熊たちの祭りがはじまる |
18 | 断章 呟きの声、とりあえずの終わりに |
19 | エピローグ あすの東北学のために |
20 | 増補1 幻像としての常民 |
21 | 増補2 山師の子どもはやがて、山に還る |
22 | 増補3 巫女になった夜に |
23 | 増補4 樹をあるく旅から―タブの杜を訪ねて |
24 | 増補5 旅と聞き書き、そして東北学 |
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