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商品説明
日本における二〇二二年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は二〇〇二年より減ってはいるが、犯罪がなくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのだろうか。ある犯罪学者は、人は三つの段階を経て犯罪へ至ると言った。その人物こそが精神科医・犯罪学者・作家という三つの顔を持ったエティエンヌ・ド・グレーフ。彼は、誰もが罪を犯す可能性があるとしながら、それでも人を信じ、犯罪を防ぐ方法を探し続けた。日本ではまったくの無名であるものの、その功績は国際的に認められ、国際犯罪学会は彼の名前を冠した賞まで設けている。本書では、そんなド・グレーフの思想と人生を辿りながら、人が罪を犯す心理を丁寧に紐解いていく。
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収録内容
1 | 第1章 精神科医としてのド・グレーフ―信仰と科学のはざまで(精神医学への道 |
2 | 最初の勤務地での出来事 |
3 | ロヴァンジュール精神病院での孤立 |
4 | ボーランの聖母 |
5 | ド・グレーフの調査 |
6 | ド・グレーフの解釈 |
7 | ボーランの聖母の結末 |
8 | ロヴァンジュールを離れて) |
9 | 第2章 犯罪学者としてのド・グレーフ―「犯罪者」とラベルを貼るのではなく(犯罪学の歩み |
10 | ベルギーにおける犯罪学の状況 |
11 | 第二次世界大戦のなかで |
12 | 犯罪者とふつうの人 |
13 | 殺人犯の心理 |
14 | 犯罪生成プロセス |
15 | ケース・スタディ |
16 | 犯罪の医学的予防 |
17 | 犯罪の社会的予防) |
18 | 第3章 作家としてのド・グレーフ―共感本能を取り戻すために(ド・グレーフの人間観 |
19 | 防衛本能 |
20 | 共感本能 |
21 | 目指すべき平衡 |
22 | 犯罪学と文学 |
23 | ド・グレーフの文学的実践 |
24 | 文学のなかの、犯罪へ至る心理) |
25 | 終章 ド・グレーフの最期(戦後の活躍 |
26 | ド・グレーフの最期 |
27 | それから) |