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商品説明
“遠近法”という表現様式は自明のものではなく、ルネッサンス期に確立したひとつの世界観である。パノフスキーらも論じてきた遠近法の成立や発展の背景を、本書は思想史的観点から深く掘り起こし、水墨画や日本絵画における表現法も引きくらべつつ、絵画の一技法という枠を越えて文化全体の文脈のなかで、その真の世界観的意義を捉えなおす。さらに、カントやヘーゲルなどのドイツ観念論における芸術理論、近代日本絵画における格闘を追いながら、美術と哲学の関わりを掬いだす。ユニークな切り口で美術史学の重要論点に切り込んだ名著。
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収録内容
1 | 第1部 絵画空間の哲学(遠近法とは何か |
2 | 科学革命と遠近法 |
3 | 遠近法の世界観的意義 |
4 | 近代絵画における遠近法からの離反 |
5 | 奥行の哲学的考察 |
6 | 東洋の遠近法 |
7 | 現代における遠近法) |
8 | 第2部 ルネッサンスの美術 |
9 | 第3部 ドイツ観念論における芸術の位置 |
10 | 第4部 近代日本における西洋体験―岸田劉生の場合(西洋の音、西洋の色 |
11 | 岸田劉生) |