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商品説明
妻が癌で逝った。61歳、1年あまりの闘病生活ののちの早すぎる死だった。家族が悲しみ、うろたえるなか、妻は、嘆かず恨まず泰然と死んでいった。それはまさに「あっぱれな最期」だった。決して人格者でもなかった妻が、なぜそのような最期を迎えられたのか。そんな疑問を抱いていた私が出会ったのは、「菫ほどな小さき人に生まれたし」という漱石の句だった。そうか、妻は生涯「小さき人」であろうとしたのか―。妻の人生を振り返りながら古今東西の文学・哲学を渉猟し、よく死ぬための生き方を問う、珠玉の一冊。
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収録内容
1 | 第1章 妻のあっぱれな死(ただ一人、泰然と逝く |
2 | ステージ3―抗癌剤治療始まる ほか) |
3 | 第2章 菫のようなふつうの人(ほかの治療法はなかった |
4 | 妻がいないと困るくらし〓々 ほか) |
5 | 第3章 先人に学ぶ様々な死生観(死については口にしづらい |
6 | 人は死ねばゴミになるのか ほか) |
7 | 第4章 小さき人として生きるために(妻は、農家で育った田舎者だった |
8 | 祖父を弔った故郷の土葬習慣 ほか) |
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