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商品説明
第三帝国といえば、ゲシュタポの監視のもと恐怖と暴力で国民を支配したイメージがある。しかし、当時を回想する住民証言から現れるのは、ナチズムへの不満や批判ではなく、むしろ正反対の「ナチスの時代はよい時代だった」という記憶だ。ごく平凡な普通の人びとが、ナチズムとは一定の距離をおきながらも、非政治的領域のルートを通じ、政策を支持するようになる。農村ケルレと炭鉱町ホーホラルマルクという、二つの地域での詳細なインタヴュー資料を中心に、子どもや女性までもが、徐々にナチ体制に統合されていった道程をあばきだし、現代のわれわれにも警鐘を鳴らす一冊。
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収録内容
1 | 第1章 褐色の農村と赤い炭鉱町(褐色の農村―ケルレ村 |
2 | すっきりしない状況の成立 |
3 | 赤い炭鉱―ホーホラルマルク |
4 | 悪い時代のはじまり) |
5 | 第2章 ヒトラーが政権についたとき(ナチスは外からやってきた |
6 | 全体としては、がまんできた |
7 | たいしたことはなく、なにもおきなかった |
8 | もう他人を信用できなくなった) |
9 | 第3章 民族共同体の夢と現実(記憶に残らない不満と批判 |
10 | いい時代だった |
11 | 行ったこともない旅行の記憶 |
12 | たいていの家でもめごとがおきた |
13 | ハンチングはタブーだった) |
14 | 第4章 ユダヤ人、戦争、外国人労働者(内に向けて発動される人種主義 |
15 | もったいないという反応 |
16 | 戦争さえなければよかったのに |
17 | いまでもそのことを恥ずかしく思う) |