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商品説明
文学は情報ではない―。谷崎最大の長編「細雪」。しかしその評価は未だ定まってはいない。本書は従来のナラトロジーを更新するノン・コミュニケーション理論を導入することで、日本語による三人称小説の“客観的に論証可能な「語り」読解”の方法論を提示し、プルースト、V・ウルフらに比肩する同時代の世界文学としてその価値を標定する。
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収録内容
1 | 第1部 視野、視点 そこで“察し”ているのは誰か?(プルーストの逸脱、『細雪』の制約 |
2 | 『細雪』ナラションにおける“制約”の諸様相 |
3 | 『細雪』ナラションの「視点」 |
4 | 人物視点を超えて |
5 | 第1部の終わりに―『細雪』の詩学へ) |
6 | 第2部 ノン・コミュニケーションとしての小説 そこでは誰も語っていない―「視点」不在の“客観文”から“主観”不在の「視点」へ(ディスクール、ナラティヴ、物語 |
7 | どうして「そこでは誰も語っていない」のか? |
8 | 日本語におけるレシ文(中立文)の可能性と、日本語小説文の未来) |
9 | 第3部 『細雪』詩学 にぎやかな静寂 “声”の饗宴と、沈黙のこちら側―ディスクールとコミュニケーションの不在(記述者再登場(潜在するナラター) |
10 | “いま”“ここ”で“私”たちが語りだす~コミュニケーション性の二方向 |
11 | 誰も見ていない彼女たち2) |
12 | 結論 文学のために |