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商品説明
あれはいったい何だったのだろう―私たちの心をざわつかせ、名状しがたい不安感を呼び起こす、過去の体験や不穏な記憶。作家・精神科医である著者が、そうした人間心理の暗部に触れる“無意味で不気味なもの”の正体を、ラヴクラフトや車谷長吉などの小説作品に探る。異色の恐怖文学論に書き下ろしの新章を増補した決定版。
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収録内容
1 | 隠蔽された顔―ナサニエル・ホーソーン『牧師の黒のベール』 |
2 | 本物そっくり―河野多惠子『半所有者』 |
3 | 糞と翼―パトリック・マグラア『長靴の物語』 |
4 | 姿勢と連想―古井由吉『仁摩』 |
5 | 受話器を握る怪物―H.P.ラヴクラフト『ランドルフ・カーターの陳述』 |
6 | 孤独な日々―日影丈吉『旅は道づれ』 |
7 | 南洋の郵便配達夫―J・M・スコット『人魚とビスケット』 |
8 | 描きかけの風景画―藤枝静男『風景小説』 |
9 | 墜落する人―レイ・ブラッドベリ『目かくし運転』 |
10 | 救われたい気持ち―高井有一『夜の音』 |
11 | 果てしない日々―クレイ・レイノルズ『消えた娘』 |
12 | 世界の構造―富岡多惠子『遠い空』 |
13 | グロテスク考―カースン・マッカラーズ『黄金の眼に映るもの』 |
14 | うふふ。―車谷長吉『忌中』 |
15 | 昆虫的―内田百〓『殺生』+ブルーノ・シュルツ『父の最後の逃亡』 |
16 | 文庫版ボーナストラック 入り込んでくる人―庄野潤三『黒い牧師』 |