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商品説明
「有為転変は人の世の習いだが、書物にも数奇な運命がある。本の身の上は、本にかかわる人の物語でもある」(本書より)。高倉健のご先祖様が書いた本、脱走兵だった作家・里村欣三、井上ひさしの父親が書いた小説、批評家も騙された贋作目録、偽書にのめり込む者...。意外な人の意外な本、1冊の本の陰に隠されたドラマなど、書物と人間とをめぐる56話。文庫オリジナル。
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収録内容
1 | 主婦の関所破り―福岡発、五カ月間の長旅 |
2 | 野中千代子の『女大学』―夫の気象観測支えた忍耐 |
3 | 子母澤寛の筆名―大学時代に書いた廉価本 |
4 | 朝日融渓は何者?―宗教家が起こした怪事 |
5 | 「幻の本」の理由―復刊拒んだ辛口評論家 |
6 | 金もうけは先人の知恵―理に適った利殖の秘訣 |
7 | 三十の名を持つ作家―少年の自立支援と文筆活動 |
8 | 実業家の探偵小説―現実の殺人事件を題材に |
9 | 偽書の著者・岩本無縫―一高生の名かたる幻の発禁本 |
10 | 詐欺的出版の解説書―好奇心釣り出す広告 |
11 | 哲学者と糟糠の妻―勉強支えた内助の功 |
12 | 夢野久作との合作?―父が「翻訳」した英国小説 |
13 | ニコニコ主義の唱道者―銀行家が説く笑顔の効用 |
14 | 世にも珍奇な贋物目録―批評家が激賞した肉筆画 |
15 | 古稀の俳句談議―新劇人が編んだ父の句集 |
16 | 九條武子の写真―読者ひきつけた麗人の孤独 |
17 | 女子教育の先駆者―「〓村訳」冒険譚、歯切れよく |
18 | 「文学芸者」の自伝―読書経験生かした新橋の女将 |
19 | 天下之愚論『芸者論』―論語の普及に貢献した実業家 |
20 | 人名索引つき随筆集―幅広い交遊映す「雑文」〔ほか〕 |