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商品説明
古典は苦手なはずなのに、還暦を過ぎ、にわかに湧いた定家選・小倉百人一首への興味。心惹かれるままに学びを重ねるうち、ふとこんな疑問を抱く―“その歌は、本当にその歌人の一番の秀歌なのか?”“他の歌人にももっと優れた歌があるのではないか?”。本書はその疑問へのひとつの答えとして編まれた、全く新たなアンソロジー。
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収録内容
1 | 天智天皇―海神の豊旗雲に入日さし今夜の月夜さやけかりこそ |
2 | 持統天皇―北山にたなびく雲の青雲の星離れ行き月を離れて |
3 | 額田王―君待つと我が恋ひ居れば我がやどの簾動かし秋の風吹く |
4 | 柿本人麻呂―近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ |
5 | 志貴皇子―石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも |
6 | 山部赤人―若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る |
7 | 大伴旅人―我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも |
8 | 山上憶良―若ければ道行き知らじ賄はせむ黄泉の使負ひて通らせ |
9 | 大伴家持―我がやどのいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも |
10 | 小野小町―はかなしやわが身のはてよ浅みどり野辺にたなびく霞と思へば |
11 | 小野篁―思いきや鄙のわかれにおとろへて海人の縄たきいさりせむとは |
12 | 遍昭―末の露もとのしづくや世の中のおくれさきだつためしなるらむ |
13 | 源融―照る月をまさきの綱によりかけてあかず別るる人をつながむ |
14 | 光孝天皇―君がせぬわが手枕は草なれや涙の露の夜な夜なぞおく |
15 | 在原行平―旅人は袂すずしくなりにけり関吹き越ゆる須磨の浦風 |
16 | 在原業平―月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして |
17 | 藤原敏行―秋の夜の明くるも知らず鳴く虫はわがごとものや悲しかるらむ |
18 | 伊勢―春霞たつを見すててゆく雁は花なき里にすみやならへる |
19 | 元良親王―天雲のはるばる見ゆる嶺よりも高くぞ君をおもひそめてし |
20 | 素性法師―見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける〔ほか〕 |