著者・出版社・関連アーティスト
商品説明
認識・実践の両面からの“自己実現”論、そして“価値ニヒリズム”へ―。カントの人間観から、現代の危機を乗り越える「思考態度」を蘇生する。人間存在に「讃嘆と畏敬」の念を抱き、地上における“最高善”の実現を目指したヒューマニズムの哲学者、カント。価値の全面崩壊=“価値ニヒリズム”に面して徹底的に考え抜いた不屈の思索を解き明かし、危機に直面する現代人のための新たな「人間讃歌」を展望する。第35回和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞作をより充実させて提示する、まったく新しいカント像。
関連記事
収録内容
1 | 第1部 認識存在論(カントの純粋統覚と物自体 |
2 | カントにおける“身体問題”の止揚―人間悟性の自己対象化的性格の剔抉へ― |
3 | 『純粋理性批判』「演繹論」の「三つの難問」再考―“自己認識の二重拘束”をめぐって |
4 | カント「観念論論駁」再考―「定理」の主語の二重性を中心に |
5 | 研究ノー卜 悟性による内的触発の現場を索めて―「感性論」と「演繹論」をつなぐもの) |
6 | 第2部 実践価値論(カント“実践理性の優位”の構造と射程―人間にどこまで希望が許されるか― |
7 | カントと黄金律 |
8 | カントにおける価値のコペルニクス的転回―価値ニヒリズム回避の対スピノザ防衛戦略とその破綻 |
9 | 研究ノート カント実践哲学における演繹の戦術転換とその帰趨) |
10 | 第3部 カントの真意を読む(カントと愛国心の問題―フリードリヒ大王賛美の真意― |
11 | “見える大学”と“見えざる大学”―または学問論を装ったカントの党派性とキリスト教批判について― |
12 | カント『人間学』の諸問題―解説に代えて―) |
13 | “余録”カントとの対話三題 |