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商品説明
ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎の“歌”の字も知らぬまま、人気右肩上がりの女形・喜多村燕弥へと嫁ぐ。舞台の上だけでなく平生も女として過ごす、女よりも美しい夫を前に、志乃はいつも落ち着かない。この人はなぜ私を求めたのか―。芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いを巡らす。女房とは、女とは、己とは何だ。文学賞二冠。歪な2人の変化が胸打つ、唯一無二の恋物語。第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞W受賞。