商品説明
「わかばの初めてを、私にちょうだい」「いいよ。...私の全部、小牧にあげるよ」平凡で負けず嫌いな私は、なんでも完璧な優等生・小牧にそう返事をした。しかしそれから早数日、小牧はためらっている。実梨と遊んでいたら飛んでくるくらい嫉妬深いし、私のことは大好きだって伝えてくれるのに―少しくらい強引にきてほしいとも思っていたり。私から強引にキスするのは簡単だけど、それは彼女の気持ちを無視した行為で。想いを伝え合ってしまった以上、そうもいかないわけで。この微妙に不安と遠慮が重なる私たちには、建前が必要なのかもしれない。“初めて”を迎えるための、最後の勝負が始まる。