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商品説明
12世紀イタリア、フィオーレのヨアキムの歴史思想に由来する理念「第三の国」が、もともとナチスの「第三帝国」とは異なる意味で用いられ、19世紀後半から第一次世界大戦期までのヨーロッパやロシア、日本に多大な影響を与えたことは、いまだ学術的に究明されていない。本書では、イプセンやメレシコフスキー、カンディンスキー、トーマス・マンから日本の雑誌『第三帝国』にいたるまで、「第三帝国」das Dritte Reich以前の「第三の国」das dritte Reichをめぐる東西の言説を初めて本格的に検討し、未開拓領域の全容を明らかにする。
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収録内容
1 | 序 |
2 | 第一章 ネオ・ヨアキム主義 |
3 | 補遺一 「第三帝国」研究における「第三の国」 |
4 | 第二章 背教者ユリアヌス |
5 | 第三章 日本における「第三の国」 |
6 | 第四章 東西交点としての「第三の国」 |
7 | 第五章 異端の正統者ルードルフ・カスナー |
8 | 第六章 東方からの黙示 |
9 | 第七章 ユーリウス・ペーターゼンの憧憬 |
10 | 結び 「第三の国」の行方 |
11 | 補遺二 日本におけるナチス研究の躓き |