1984年オイレンブルク版のライセンス。 シューベルトの譜面は「>」がアクセントなのか、デクレッシェンドなのか、「・」はスタカートなのかカイルなのかの解釈が一定せず、悩みの種となることは周知のとおりだ。 90年代以降、ブライトコプフやベーレンライターが相次いで新訂の譜面を出し、この問題点の新しい整理を示している。 本書はこれに先駆け、上述の諸問題に取り組んでいる。 校訂報告が2ページ、校訂ノートが3ページ。 新しく出版されたパート譜に、十分に対応出来る内容になっていると思う。 なお、楽式についての記述は皆無であるので、その用向きであれば別書が必要となる。