商品説明
『七巻本自由討論集』に収録されている議論は、オッカムがロンドンに滞在していた間、フランシスコ会の学院で行なわれた討論に基づく。第1巻は1322年の秋、実際に行なわれた討論に基づくと推定される。神に関する問い、天使に関する問い、「線は点から構成されているか」という自然学的な問い、人間の魂や魂の活動である認識や意志に関する問い、神学的な問い、倫理的な問いが議論されている。
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収録内容
1 | 自然本性的理性(ratio naturalis)によって、ただ一つの神のみが存在することは証明されることができるか |
2 | 神の本質と関係は実在の側において(ex natura rei)相違するか |
3 | 御父性は、御父と相違するか |
4 | 天使は実態に即して場所においてあるか |
5 | 天使は場所的に運動することが可能であるか |
6 | 或る天使は他の天使に語るか |
7 | 或る天使は、所有態において(habitualiter)認識している対象についての現実態における知識(notitia actualis)を、同じ対象についての現実態における自らの内に生じさせることなしに、他の天使の内に生じさせることは可能であるか |
8 | 天使が真空空間を通過して動くことは可能であるか |
9 | 線は点から構成されているか |
10 | 知性的魂が身体の形相であることは論証されることができるか |
11 | 「すべての人間に、数的にただ一つの知性が存在することはない」ということは、明証的に証明されることができるか |
12 | 知性的魂はそれ全体が身体全体の内に存在し、かつ身体のどの部分においても全体として存在するか |
13 | 認識の生成の始めにおいて、知性によって第一に認識されるものは個物であるか |
14 | 我々の知性は現世の生の状態において、自らの活動を直知認識するか |
15 | 我々の知性は現世の生の状態において、可感的な事物を直知認識するか |
16 | 意志が作動因として自由に自らの活動を生じさせるということは、充分に証明されることができるか |
17 | 物事において偶然(casus)や偶運(fortuna)を保持するために、意志が自由であることを措定すべきであるか |
18 | 徳や知識は他から独立して存在する性質(qualitas absoluta)であるか |
19 | 霊は煉獄の火によって罰を受けるか |
20 | 外に表われた行為(actus exterior)はそれ自身に固有な道徳的善や悪を持つか |