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商品説明
司馬遼太郎の作品『故郷忘じがたく候』にある一行の引用からこの物語ははじまる。それまで慣れ親しんできた司馬遼太郎の作品群への憧憬の念は、日本による朝鮮の植民地支配を「たかが三十余年」と断じたとき、悉く喪失する。その重苦しい意味を心の奥深くに刻んだときから、侵略者として日本人である自分の出自と重ね合わせて、己を苛む長く苦しい旅がはじまる。幼少時に育った遥かなる朝鮮での体験を踏まえて『坂の上の雲』に潜む蔑みの思想と対をなす「日本の優位」という国家幻想を緻密に検証し、維新から今日に至る近代化のネジレ構造を照射する。
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収録内容
1 | 1章 明治維新(ねじれた変革 |
2 | 民衆の悲鳴 ほか) |
3 | 2章 明治新政府(天皇をかつぐ |
4 | 征韓論争 ほか) |
5 | 3章 日清戦争(征韓のはじまり |
6 | 奇襲で火ぶたを切る ほか) |
7 | 4章 日露戦争(帝国主義戦争 |
8 | 民衆同士が手を結ぶ時 ほか) |
9 | 5章 東方の覇者(講和条約 |
10 | 日露兵士の抱擁 ほか) |