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商品説明
「歴史学は客観主義、実証主義の過度の呪縛から逃れ、小説の手法を用いながら、具体的な効果を現さなければならない」。この折口信夫の論を受け著者は、虚構-実録の双方根底に"かたり"という共通の基盤を見出した。歴史を伝える上で「(過去を)はなす」のか「かたる」のか、それら馴染み深い言葉の用法を比較しながら、物語を提示する「言語」の位相を考察。その帰結で科学の理論と、物語・詩との間に著しい類似点があることが披露される。カント研究第一人者でありながら、哲学の枠を超え、和洋の垣根なく、領域横断的な発想をもつ著者ならではの縦横無尽な論究。
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収録内容
1 | 第1章 "かたり"の基底(詩と歴史 |
2 | 人文科学としての"かたり" |
3 | <かたり>の回路) |
4 | 第2章 "かたり"の位相(言語行為としての"かたり" |
5 | "かたり"と"はなし" |
6 | 垂直の言語行為・水平の言語行為 |
7 | <かたり>と<ふり> |
8 | <かたり>の位相) |
9 | 第3章 "かたり"の時間-いまはむかし("むかし"と"いにしへ" |
10 | "かたり"の時制-H.ヴァインリヒに即して |
11 | 浮き彫り付与とアオリスト |
12 | 発話の方向 |
13 | 時制の移行・時制の転移) |
14 | 第4章 "かたり"と"うた"と人称と(ヤーコブソンの二軸理論 |
15 | 言語の詩的機能と人称の転移 |
16 | 時間の詩的転移としての<かたり>) |
17 | 第5章 "かたり"と世界-time immemorial(時間とのたわむれ・時間の可逆性 |
18 | 詩と科学そしてアオリスト) |