本/雑誌
歴史における「理論」と「現実」 / 叢書アレテイア 10
仲正昌樹/編 大賀哲/〔ほか著〕
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発売日 | 2008/08/28 発売 |
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商品説明
西欧近代が生み出した「歴史」という概念は、ユートピア的な「理想」に向けての人類=人間性の普遍的な「進歩」を含意していた。進歩主義的な社会理論は、「歴史」の発展過程の中で、自らが掲げる人類共通の「理想」が現実化していくと信じることができた。カント、ヘーゲル、マルクスは、「歴史」の発展方向の法則を定式化する歴史哲学を、あらゆる哲学のメタ哲学として構築することを試みた。しかし、「歴史の終焉」と呼ばれる事態によって、「歴史」の物語性が顕わになり、普遍的な「進歩」を暗黙の前提にした社会理論を展開することが困難になっている。「歴史」の普遍性の揺らぎに伴って、歴史的に構成された「現実」の理解も多元化している。「進歩」をめぐる「大きな物語」が失効した後の社会理論の可能性について多角的に考察する。
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収録内容
1 | 左翼と進歩史観 |
2 | "現実"を超える現実主義-古典的リアリストの冷戦批判 |
3 | "物質"の叛乱のために-レーニンの唯物論と反映論 |
4 | ヴェーバーとワイマール大統領制-人民投票的指導者民主制の理論 |
5 | 一九世紀ドイツ憲法学における国家と公共 |
6 | 公共圏の行方を巡って-コミュニケーション論からメディア論へ |
7 | デューイ教育哲学と現代 |
8 | ベンサムの女性論 |
9 | イデオロギーの「起源」とその現実的結果-アーレントのシオニズムイデオロギー批判に関する考察から |
10 | 笑うがいい、ここは一番美しい所なのに!-ディドロ『俳優についての逆説』における理論と現実 |
11 | 「絶対的な事実」と「ことば」-保田/與重郎の芭蕉論を中心に |
12 | 大宅/壮一と小林/秀雄-批評の「起源」における複数的な可能性 |