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商品説明
アジア・太平洋の各地、特にかつての大東亜共栄圏には、戦前・戦中に日本語を習得し、今もその日本語能力を維持する人々が数多く存在している。著者はこれまで、日本の旧統治領であった台湾、ミクロネシア(南洋群島)、韓国、サハリン(樺太)、さらには中国東北部などを歩き、彼地の日本語運用をめぐってのフィールドワークを行ってきた。日本が撤退して60年以上が経過したが、これらの地に居住するかつての日本語学習者たちはどのような種類の日本語を維持しているのか。それは母語話者や現在の日本語学習者が話す日本語と同じものなのか、それとも異なるものなのか。そして、その日本語には地域間や個人間で違いがあるのか。あるとすればそれはどのような違いなのか。また、そのような違いが生じた理由は何なのか。本書は、日本の植民地下・占領下に生きた現地の話者たちの「語り」の部分に焦点をあてて、越境した日本語の実態をレポートしたものである。
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収録内容
1 | 序 越境した日本語のその後 |
2 | 1 台湾における言語生活史の一斑 |
3 | 2 南洋群島(ミクロネシア)での日本語の役割 |
4 | 3 朝鮮半島(コリア)における日本語の位相 |
5 | 4 樺太(サハリン)での戦後-残留コリアンHさんの事例 |
6 | 5 再び台湾-日本語ベースのクレオール |